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さて、最初のお芝居は『野崎村』です。 野崎は野崎観音(大阪府大東市)の野崎です。
お染・久松 … と言えば聞いたことのある方も多いはず。 昔、大坂の油屋の一人娘お染と使用人の久松が心中し(実話)、これを題材にしたお芝居が作られました。 野崎村はその一部です。
でもこのお芝居の主人公はお染・久松ではなくて、久松の養父の娘(と言っても奥さんの連れ子です)お光です。
舞台は久松の養父宅である久作宅です。季節は梅の花の咲く頃。 久作は、久松とお光を結婚させようとしています。 お光は久松が好きですが、久松はお光に気がありません。 久松は奉公先のお染が好きなのです。
そこへ野崎参りにかこつけて、大坂からお染がやって来ます。 実はお染は久松の子を身ごもっています。
久作はお光に席を外させて、お染と久松を説得して別れさせようとします。二人は得心したふりをしますが、心中しようと心に決めました。
それを見破ったお光は、身を引くことを決心し、髪を尼そぎにしてその上に花嫁衣装の綿帽子をかぶって登場します。 綿帽子を取るとその下は尼姿 …。
二人はお光に感謝し、お染は迎えに来た母親と船で、久松は母親が乗ってきたかごで大坂に戻っていき、見送った後、お光は泣き崩れる … というお話です。
..2017/05/17(水) 09:54 No.24065
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